熱帯低気圧と温帯低気圧の違いとは?知っておくべき影響と備え方

tropical cyclone and extratropical cyclone

身近な気象現象、「熱帯低気圧」と「温帯低気圧」

天気予報で耳にすることが多い「熱帯低気圧」や「温帯低気圧」。

これらは、どちらも低気圧の一種であり、私たちの生活に大きな影響を与える存在です。

しかし、その違いについて詳しく知っている方は少ないかもしれません。

両者の特徴や、どのような影響をもたらすのかを理解しておくことで、自然災害に対する備えもより万全にできます。

  

  

目次

熱帯低気圧と温帯低気圧の基本的な違い

まずは、熱帯低気圧と温帯低気圧の基本的な違いを押さえておきましょう。

発生場所

  • 熱帯低気圧:名前の通り、熱帯や亜熱帯地域で発生します。海面水温が高い地域で生じるため、温暖な海域でよく見られます。
  • 温帯低気圧:温帯地域で発生します。北緯30度~60度の範囲が主な発生エリアです。

エネルギー源

  • 熱帯低気圧:主に海面から蒸発した水蒸気がエネルギー源となります。暖かい海水が蒸発し、上昇気流となって渦を形成します。
  • 温帯低気圧:温帯低気圧は、暖かい空気と冷たい空気の境目にできる「前線」がエネルギー源となります。

構造

  • 熱帯低気圧:中心部に「目」があり、強い上昇気流が渦を巻くように回転します。中心部分は比較的静かで、周囲に強い風と雨が集中します。
  • 温帯低気圧:目はなく、前線に沿って広範囲にわたって風や雨が広がります。特に寒冷前線と暖鋒前線が関与することが多いです。


これらの違いは、低気圧がもたらす天候にも大きな影響を与えます。

では、具体的にどのような影響があるのか、次に見ていきましょう。

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熱帯低気圧の影響とその特徴

1. 台風に発展する可能性

熱帯低気圧は、発達すると台風に変わることがあります。

特に、海面水温が27度以上の地域で発生する熱帯低気圧は、急速に強化される傾向があります。

台風になると、猛烈な風と大雨を伴い、沿岸部では高潮や波浪の被害も懸念されます。

2. 豪雨と暴風

熱帯低気圧がもたらす最大の影響は、豪雨と暴風です。

日本では毎年夏から秋にかけて、熱帯低気圧が台風に発達し、多くの地域で大雨や洪水、土砂災害を引き起こすことがあります。

記憶に新しいところでは、2018年の台風21号が関西地方に甚大な被害をもたらしました。

3. 暑さとの関連


熱帯低気圧は、海面水温の高い地域で発生するため、その周辺地域では高温多湿な天候が続くことが多く、熱中症などのリスクも高まります。

温帯低気圧の影響とその特徴

1. 四季を通じて発生


温帯低気圧は、冬の寒い時期にも発生します。寒冷前線が関与するため、強い寒波をもたらすこともあります。

特に冬季には、温帯低気圧が原因で大雪や冷え込みが発生し、交通網が麻痺することも珍しくありません。

2. 広範囲にわたる影響

温帯低気圧は、前線を伴うため、広範囲にわたって天候に影響を及ぼします。

例えば、春や秋には「長雨」をもたらすことがあり、農作物に影響を与えることもあります。

3. 急激な天候変化


温帯低気圧が通過する際、短時間で天候が激変することがあります。

朝は晴れていたのに、昼頃には激しい雨が降り始める、といった急激な変化が典型的です。

このような天候変化は、特に登山やアウトドア活動を行う際に注意が必要です。

  

熱帯低気圧と温帯低気圧の理解は災害対策に不可欠

熱帯低気圧と温帯低気圧は、それぞれ異なる特徴を持ち、私たちの日常生活にさまざまな影響を及ぼします。

この違いを理解することは、自然災害に対する備えを強化するためにも非常に重要です。

  • 熱帯低気圧は、主に夏から秋にかけて台風となり、暴風雨をもたらす。
  • 温帯低気圧は、四季を通じて発生し、特に冬季には大雪や寒波の原因となる。

これらの知識を日常生活に取り入れることで、予測可能な災害に対する準備が整います。

気象データと過去の災害事例

気象庁のデータによると、過去50年間で日本に接近した台風の数は年間平均で約25個、そのうち本州に上陸したのは約3個です。

これらの台風の多くは、熱帯低気圧が発達したものです。

また、温帯低気圧による被害も無視できません。

例えば、2014年の記録的な大雪では、温帯低気圧が関与し、関東甲信地方で1メートルを超える積雪を記録しました。

このようなデータからも、熱帯低気圧と温帯低気圧の違いを理解することが、災害への備えに直結することがわかります。

温帯低気圧と熱帯低気圧に対する備え方

それでは、具体的にこれらの気象現象にどのように備えるべきかを見ていきましょう。

1. 熱帯低気圧に対する備え

  • 避難経路の確認
    台風が接近する前に、避難経路や避難場所を確認しておきましょう。特に、洪水や高潮のリスクがある地域では、早めの避難が重要です。
  • 家屋の補強
    強風に備えて、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼る、シャッターを閉めるなどの対策を講じておきましょう。
  • 非常用持ち出し袋の準備
    停電や断水に備え、非常食や飲料水、懐中電灯などを用意しておくことが推奨されます。

2. 温帯低気圧に対する備え

  • 天候の急変に注意
    温帯低気圧が通過する際は、天候の急変に備えて、常に最新の天気予報をチェックしましょう。
  • 冬季の防寒対策
    冬の温帯低気圧による寒波に備えて、暖房器具や防寒着を準備し、屋外での活動時には十分な寒さ対策を講じることが大切です。
  • 農作物の保護
    長雨や強風による農作物の被害を最小限に抑えるために、ビニールハウスの補強や作物の早期収穫を検討しましょう。

まとめ

熱帯低気圧と温帯低気圧の違いを理解することで、私たちは自然災害への備えをより万全に整えることができます。

それぞれの気象現象に応じた対策を講じることで、被害を最小限に抑え、安心して日常生活を送ることが可能です。

  • 熱帯低気圧は台風へと発展し、暴風雨をもたらすため、避難や家屋の補強が重要。
  • 温帯低気圧は、四季を通じて天候を変動させるため、急な天候変化に備えることが必要。

気象現象に対する正しい知識を持ち、適切な行動を取ることで、自分や家族の安全を守ることができるでしょう。

自然災害は避けられないものですが、備えがあれば、その被害を軽減することが可能です。

 

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この記事を書いた人

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